中国工場の金型は誰のものか|金型費・所有権・保管・廃棄を契約する

結論:金型費を払う前に「誰が所有し、誰が使えるか」を書面化する
樹脂成形、金属プレス、ダイカスト、専用治具などを使うOEMでは、初期金型費が大きな投資になることがあります。発注者が金型代を全額支払ったとしても、所有権、保管場所、第三者への使用可否などを明確にしなければ、将来工場を変更したいときに問題となる可能性があります。
金型費と所有権は別に考える
金型代の支払いが、金型製作費の負担を意味するだけなのか、完成した金型そのものの所有権取得を意味するのかを確認します。また工場が一部費用を負担する代わりに、一定数量まで工場に使用権があるような契約も考えられます。
他社向け使用を禁止する
オリジナルデザインの商品では、自社金型を使って工場が別の顧客へ同じ商品を生産しないことを契約で確認します。図面やデザインの秘密保持と合わせて管理します。
金型へ識別表示を付ける
工場内には多数の金型があります。自社所有金型であることが分かるよう、企業名、金型番号等を表示し、写真と台帳を保管する方法があります。複数金型がある場合は金型一覧を作成します。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 金型費 | 総額・支払時期 |
| 所有権 | 誰に帰属するか |
| 使用権 | 第三者使用の禁止 |
| 保管 | 場所・期間・費用 |
| 修理 | 摩耗時の費用負担 |
| 移管 | 他工場へ移せるか |
金型寿命とメンテナンスを確認する
金型には使用回数や材料によって摩耗があります。長期間生産する商品では、想定ショット数、メンテナンス方法、大規模修理時の費用負担を確認します。
工場変更時の移管を決める
品質や価格の問題で別工場へ生産移管する場合、自社所有金型を引き取れるかが重要です。重量物である金型の梱包・運送費、搬出手続も含めて検討します。
知的財産権とは別問題
金型を所有していることと、その形状に関する特許権、意匠権、商標権等を保有していることは別です。中国で商品デザインやブランドを保護したい場合は、中国国家知識産権局などの制度を利用した権利化を別途検討します。
金型発注前チェック
- 金型仕様
- 製作費
- 所有者
- 第三者使用禁止
- 識別番号
- 保管期限
- メンテナンス
- 移管条件
- 廃棄方法
金型は単なる製造設備ではなく、商品の供給権を左右する重要資産です。製品単価の交渉だけでなく、金型そのものを契約対象として管理する必要があります。