中国OEMの品質基準書を作る|「良品・不良品」を数値で決める方法

結論:品質問題の多くは、工場の能力不足より「合格基準が決まっていない」ことから発生する
発注者が「傷のないきれいな商品」を要求しても、どこまでが傷なのか、何mmなら許容するのかが決まっていなければ、工場と発注者で判断が分かれます。特に中国OEMでは、営業担当、工場管理者、検品員、日本側担当者の複数人が関わるため、品質基準を文章と写真、数値で共有する必要があります。
品質基準は四つに分ける
実務では、寸法、外観、機能、安全・耐久の四分野に分けると整理しやすくなります。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 寸法 | 長さ、穴位置、公差 |
| 外観 | 傷、色、塗装、汚れ |
| 機能 | 組立、可動、安定性 |
| 安全・耐久 | 強度、角処理、耐荷重 |
外観不良は写真で基準を作る
傷や塗装ムラは完全に数値化しにくいため、良品写真と不良写真を作成します。例えば「正面から30cmの距離で確認できる傷は不可」など、確認条件まで合わせる方法があります。
店舗什器では正面に見える面と、設置後に見えない裏面で外観基準を変えることも可能です。すべてを最高水準にするとコストが上がるため、重要面を指定します。
寸法公差は用途から決める
幅500mmという図面に対し、501mmを不良とするのか、505mmまで許容するのかを決めます。部品同士が組み合わさる箇所では公差が重要ですが、単体で使用する什器の全高などでは多少許容できることがあります。製造方法に現実的な公差か工場とも確認します。
重大・主要・軽微不良を分ける
不良をすべて同じ扱いにすると判断が難しくなります。安全性に影響する不良、使用できない不良、外観上の軽微な不良などへ分類します。検品時の合否基準もこの分類に基づいて設定します。
梱包品質も製品品質
工場出荷時には良品でも、日本到着時に傷や変形が発生すれば商品としては不良です。箱強度、緩衝材、角当て、部品固定、積載方向なども品質基準書へ入れます。
品質基準書に入れる内容
- 最新版図面番号
- 材質・材料厚
- 寸法公差
- 色・表面処理
- 外観基準
- 強度・機能基準
- 組立確認
- 梱包方法
- 不良分類
- 検品方法
量産開始前に工場の署名確認を取る
品質基準書をメールで送るだけでなく、工場側が内容を理解し、生産可能と確認した記録を残します。実現できない基準なら量産開始前に調整します。
「日本品質でお願いします」という言葉には具体的な品質基準がありません。何を測り、何を見て、どの状態なら合格するのかを定義することが、中国OEM品質管理の中心です。