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中国製飲食店家具の品質基準はどう決める?「良品」の曖昧さをなくす仕様書

「品質を良くしてください」では品質管理にならない

中国工場へ飲食店家具を発注するとき、「日本品質でお願いします」「傷がないようにしてください」と伝えるだけでは、双方が同じ品質を想定しているとは限らない。品質問題の多くは工場が故意に悪い製品を作ることより、買手と工場で合格基準が違うことから発生する。

重要なのは、良品と不良品の境界をできる限り客観化することである。

品質基準を5分野に分ける

1.寸法

図面寸法に対して許容できる公差を決める。すべてを0mm誤差にすることは現実的ではない。木材、金属、石材では加工精度も異なるため、重要寸法と一般寸法を分ける。

2.外観

傷、へこみ、塗装ムラ、接着剤跡、溶接跡、汚れなどを確認する。「傷禁止」ではなく、どの面を重点的に見るかを決める。客から見える正面と、設置後に見えない底面を同じ基準にする必要はない場合もある。

3.色・仕上げ

承認サンプルと比較する。天然木や天然石は個体差があるため、完全一致を要求できない場合がある。許容する色幅や木目の特徴を事前に確認する。

4.機能

扉、引出し、キャスター、アジャスターなどが正常に動作するか確認する。椅子やテーブルではぐらつきも重要だ。

5.数量・付属品

本体数量だけでなく、ボルト、棚板、取手、予備金物、組立説明書なども検品対象にする。

見える面をランク分けする

店舗家具では外観品質が重要だが、全表面へ最高基準を要求すると製造コストが上がる。そこでA面、B面、C面のように外観重要度を分ける方法がある。

  • A面:客から常に見える正面・天板
  • B面:通常使用時に見える側面
  • C面:壁側、底面など通常見えない部分

A面では傷や補修跡を厳しく管理し、C面では機能に影響しない軽微な外観差を許容するなど合理的な基準を設定できる。

天然素材の「個体差」を理解する

無垢材、天然突板、大理石などは一枚ずつ色や模様が異なる。サンプルと全く同じ柄を要求することは難しい。天然素材を採用する場合は、個体差をデザインとして許容する範囲を決める。

逆に店舗全体で木目を揃えたい場合は、使用する材料を同一ロットから確保する、突板を連続して使用するなどの方法を工場と相談する。

品質基準は発注後ではなく発注前に渡す

完成後に日本側が新しい検査条件を提示すると、工場との紛争になりやすい。見積・発注段階で品質仕様書を共有し、その基準を満たすための費用を価格へ反映させるべきである。

写真付き基準書が有効

文章だけでは「小さな傷」「目立つ塗装ムラ」などの判断が分かれる。過去の良品・不良品写真を使い、「Accept」「Reject」の例を作ると中国側検品員にも伝わりやすい。

実務チェックポイント

  • 図面公差を決める
  • 外観面をA・B・Cに分類する
  • 承認色サンプルを保存する
  • 天然素材の許容範囲を決める
  • 機能検査項目を作る
  • 付属品を数量表へ入れる
  • 写真付き不良例を作る

中国製品だから品質を下げる必要はない。一方で「日本なら当然分かる」という暗黙の基準は海外工場には通用しにくい。品質要求を具体化すれば、中国工場側も何を守ればよいか理解できる。品質仕様書は工場を責めるための資料ではなく、双方が同じ完成品を目指すための共通ルールである。

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