中国工場の検品はいつ行う?完成後だけでは遅い4段階品質管理

結論:検品は「最後の一回」ではなく工程として設計する
中国工場へ飲食店家具や店舗什器を発注する場合、完成後に一度だけ検品する方法には限界がある。完成時点で材料違いや内部構造の問題が判明しても、すでに数十台が完成していれば全数修正には時間と費用がかかる。
重要なのは、不良品を見つけることより不良品を大量に作らせないことである。そのため品質管理を4段階に分ける。
第1段階:承認サンプル
材料、色、塗装、金物などを量産前に承認する。サンプルには番号を付け、工場と日本側の双方で保管する。量産品の色や仕上げを判断する基準になる。
第2段階:初品確認
量産開始前または量産初期に、一台を完成させて確認する。寸法、構造、材料、仕上げ、組立方法などを見る。
特にオーダー家具では初品確認が重要である。図面上では問題がなくても、実物にすると扉が干渉する、椅子が重すぎる、テーブル脚が客の足に当たるなどの問題が見つかることがある。
第3段階:量産中検査
製造が一定程度進んだ時点で確認する。ここでは完成後に見えなくなる部分を見る価値が高い。
- 内部基材
- 接合方法
- 下地処理
- 金物取付
- 塗装前状態
- 材料品番
承認した合板が別材料へ変更されていないかなど、材料トレーサビリティも確認する。
第4段階:出荷前検品と積込確認
完成品では数量、寸法、外観、機能、梱包を確認する。可能ならランダムに梱包を開けて商品を確認する。検品済み商品がそのままコンテナへ積み込まれたことまで確認できれば、検品後の入替えリスクも低減できる。
| 段階 | 主な目的 |
|---|---|
| 承認サンプル | 品質基準を決定 |
| 初品 | 設計・構造を確認 |
| 量産中 | 材料・工程を確認 |
| 出荷前 | 完成品質・数量・梱包を確認 |
全数検査と抜取検査を使い分ける
すべての項目を全数検査すると時間と費用が増える。数量確認や重要な機能は全数、寸法や外観は一定数を抽出するなど、商品のリスクに応じて検査方法を設計する。
例えば一台数十万円の特注カウンター10台と、安価な金物5000個では合理的な検査方法は異なる。
検品会社へ丸投げしない
第三者検品会社を利用する場合でも、日本側が検査項目と合否基準を作る必要がある。「品質をチェックしてください」という依頼だけでは、検査員は依頼者のデザイン意図まで理解できない。
図面、承認サンプル写真、品質基準書、注文数量、梱包仕様を検査資料として提供する。
不良を見つけた後のルールも必要
検品で不良率が高かった場合に、再検品するのか、工場が全数選別するのか、再製作するのかを発注前に決めておく。船の予約があるからという理由で不良品をそのまま出荷すると、日本での修正費が中国での修正費を大きく上回る場合がある。
検品の実務チェック
- 量産前に品質基準を決める
- 初品承認なしで大量生産を進めない
- 完成後に見えない部分を工程中に確認する
- 検品写真を商品番号と紐付ける
- 梱包状態も検査対象にする
- 不合格時の再検査ルールを決める
検品費は余分なコストではない。日本到着後の再製作、職人による補修、店舗開業延期という大きな損失を防ぐための工程である。特に新規工場との初回取引では、製造途中を見ることに大きな価値がある。
