中国工場の納期はどう計算する?飲食店開業から逆算する発注スケジュール

工場の「30日で完成」をそのまま工程表へ入れない
中国工場へ納期を確認すると「30 days」「35 days after deposit」などと回答されることがある。しかしこれは通常、工場内の生産期間を示しており、日本の店舗現場へ届くまでの期間ではない。
飲食店では開業日が決まっているため、家具が数日遅れただけでも施工、消防検査、スタッフ研修、プレオープンなど後工程へ影響する。中国調達では製造と物流を一つの工程として管理する必要がある。
実際の工程を分解する
- 見積・工場選定
- 図面作成
- 材料・色サンプル確認
- 試作品確認
- 最終図面承認
- 着手金支払い
- 材料手配
- 量産
- 出荷前検品
- 不良修正
- 梱包
- 輸出通関
- 海上輸送
- 日本輸入通関
- 国内配送
- 現場施工・組立
この中で最も見落とされるのが、図面承認と検品後の修正時間である。
納期の起算日を確認する
工場が「30日」と言っても、起算条件が違えば完成日は変わる。
- 注文書受領日
- 着手金入金日
- 図面承認日
- サンプル承認日
- 材料確定日
OEMでは「最終図面承認および着手金確認後○日」のように明確化する。
材料の納期を別に確認する
家具工場に在庫がある材料だけで製造するとは限らない。特殊な布地、石材、金物、照明部品を外部メーカーから購入する場合、その部品がクリティカルパスになる。
本体は完成しているのに指定金物が届かず出荷できないこともあるため、重要材料については発注時に在庫と調達期間を確認する。
中国の休日も工程へ入れる
春節や国慶節など長期休暇の前後は、生産、物流、港湾の混雑を考慮する必要がある。特に春節前は工員の帰省や材料メーカーの休業が重なり、通常期と同じ工程で考えるのは危険である。
検品日は船積み直前に設定しない
出荷予定日の前日に検品し、不良が見つかれば「船を逃すか、不良品を送るか」という選択になる。検品後に修正できる時間を確保する。
日本到着後の時間も必要
港へ到着しても即日現場へ届くとは限らない。輸入申告、検査の可能性、デバンニング、倉庫、国内配送などがある。大型家具の場合、店舗の搬入可能時間や車両制限も確認する。
工程表にバッファを設ける
中国調達で工程を限界まで詰めると、一つの遅延が開業日に直結する。重要設備ほど予備期間を設定する。特に特注家具は日本で代替品をすぐ購入できないため、余裕を大きく取る価値がある。
毎週確認する4項目
| 確認 | 内容 |
|---|---|
| 材料 | 入荷済みか |
| 生産 | 予定工程まで進んでいるか |
| 問題 | 図面・品質上の未解決事項 |
| 出荷 | 検品・船積予定に変更がないか |
進捗写真だけではなく、数量ベースで「20台中、木工完成15台、塗装10台、梱包0台」のように確認すると実態が分かりやすい。
中国工場の納期管理では「工場に急いでもらう」ことより、遅延要因を早期に発見することが重要である。飲食店の開業日から逆算し、図面、製造、検品、物流、施工を一本の工程表で管理することで、中国調達を店舗工事の中へ安全に組み込める。
