中国OEMとは?飲食店家具・店舗什器をオリジナル製作する基本手順

中国OEMは「既製品を安く買うこと」ではない
飲食店内装で中国調達を活用する場合、大きな強みになるのがOEMである。OEMでは、日本側がデザイン、寸法、材料、色、機能などを指定し、中国工場がその仕様に基づいて製造する。テーブルや椅子だけでなく、レジカウンター、ワイン棚、ベンチシート、ディスプレー棚、壁面装飾など店舗全体をオリジナル仕様で製作することも可能である。
ただし、写真を送って「これと同じものを作ってください」と依頼するだけではOEM管理とは言えない。重要なのは、完成品について日本側と中国側が同じ仕様を共有できる状態を作ることである。
OEMの基本工程
- 要求仕様を整理する
- 工場候補を選定する
- RFQを送付して見積を取得する
- 図面を作成・修正する
- 材料・色サンプルを承認する
- 試作品を製作する
- 最終図面を承認する
- 量産を開始する
- 工程・完成品を検品する
- 梱包・船積みする
最初の仕様書が価格を左右する
見積依頼では、最低でも寸法、数量、材料、仕上げ、使用場所、希望納期を伝える。例えばテーブルなら「幅1200×奥行700×高さ720mm、天板30mm、オーク突板、指定色ウレタン塗装、スチール脚、20台」という程度まで条件を揃える。
仕様が曖昧なまま複数工場へ価格を聞くと、一社は無垢材、一社はMDF、一社は合板で計算するなど条件が変わり、相見積として意味を持たなくなる。
図面とサンプルの役割を分ける
寸法や構造は図面で決め、色、木目、塗装艶、布地、石材などは実物サンプルで決めるのが基本である。スマートフォン写真では色が変わるため、重要な仕上げを画像だけで承認しない。
最終図面には版番号を付ける。修正のたびにR1、R2、R3などを更新し、最終的に「この版で量産する」と双方で確認する。チャットで「棚を50mm上げてください」と変更しただけでは、生産担当者へ伝わらない可能性がある。
飲食店家具では耐久性も仕様化する
家庭家具と飲食店家具では使用頻度が違う。椅子は毎日何度も動かされ、テーブルは清掃され、ベンチシートは長時間使用される。外観だけでなく、接合方法、脚部、金物、張地、清掃性、交換可能性を確認する。
例えば椅子の張地が破れた場合、日本で張り替えられる構造なのか、交換用生地を追加購入して保管するのかまで決めておくと運営開始後の保守が容易になる。
試作品は「完成確認」ではなく量産条件の確定
試作品では外観だけでなく、寸法、強度、座り心地、重量、組立方法、金物、塗装、梱包まで確認する。問題点を一覧にして修正し、その内容を最終図面へ反映する。
OEM成功の実務チェックポイント
- 仕様書と図面を同時に管理する
- 材料名だけでなくメーカー・品番まで可能な範囲で指定する
- 承認サンプルを双方で保存する
- 量産前に初品確認を行う
- 代替材料は無断使用させない
- 検品条件を発注前に決める
- 追加生産に必要なデータを保存する
中国OEMのメリットは単なる低価格ではない。既製品では実現しにくい寸法、素材、デザインを店舗単位で製造できることにある。一方、その自由度が高いほど仕様管理の責任も大きくなる。日本側が「何を作るか」を明文化し、中国工場が「どう作るか」を具体化する。この役割分担が明確な案件ほど、OEMのメリットを生かしやすい。
