飲食店向け中国工場の選び方|安さだけで決めない10項目の評価基準

結論:中国工場は「最安値」ではなく案件との適合性で選ぶ
飲食店のテーブル、椅子、カウンター、棚、照明、装飾金物などを中国から調達する場合、最も重要なのはその工場が自分の案件に適しているかである。工場規模が大きいこと、日本向け輸出実績があること、価格が安いことのいずれか一つだけで決めるべきではない。
特に飲食店は住宅家具と違い、短い工期、現場ごとの寸法、複数素材、追加製作への対応が求められる。量産家具が得意な工場と、店舗の特注什器が得意な工場では必要な能力が大きく違う。
最初に確認する10項目
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 製造品目 | 自社製造か外注か |
| 設備 | 木工、金属、塗装等の設備 |
| 図面対応 | CAD図面を理解できるか |
| 試作 | 量産前サンプルを製作できるか |
| 品質管理 | 工程検査と最終検査の有無 |
| 輸出経験 | 輸出書類や梱包を理解しているか |
| 小ロット | 店舗単位の数量へ対応可能か |
| 追加生産 | 同じ色・材料を再現できるか |
| 納期管理 | 工程表を提示できるか |
| 担当者 | 質問に具体的に回答できるか |
「メーカー」と書いてあっても確認が必要
オンラインB2Bサイトや展示会でメーカーと説明されていても、実際には一部または全部を協力工場へ発注している場合がある。ただし外注自体が悪いわけではない。レストラン什器では木工、ステンレス、ガラス、石材、照明など複数の専門工場をまとめる能力が必要であり、優秀なプロジェクト会社が適するケースもある。
問題なのは、日本側が製造体制を理解していないことである。「どこで、誰が、何を製造するか」を確認する。可能なら工場を訪問し、難しい場合はビデオ通話で生産ライン、材料倉庫、検品場所、梱包場所を確認する。
同じRFQを複数社へ送る
工場比較では、同じ図面、材料、数量、仕上げ、梱包条件を3〜5社程度へ提示する。同じ条件でなければ価格差の意味が分からない。例えば「木製テーブル」という依頼だけでは、無垢材、突板、化粧板など工場ごとに異なる仕様で見積もる可能性がある。
価格以外に注目したいのが質問の内容である。図面を確認して「天板厚は何mmか」「金物指定はあるか」「組立式にするか」など具体的な質問を返す工場は、案件を理解しようとしている。一方、仕様確認なしで即座に極端な低価格を提示する場合は注意したい。
飲食店案件で特に見るべき能力
- 店舗ごとに異なる寸法へ対応できる
- 木、金属、石、ガラスを組み合わせられる
- 承認サンプルを量産時に再現できる
- 日本現場で組み立てやすい構造を提案できる
- 破損しにくい輸出梱包を設計できる
- 追加店舗分を数カ月後でも再製作できる
最初から大量発注しない
新規工場には、可能であればサンプル、試作品、小ロット、本発注という順番で取引量を増やす。ホテルや多店舗展開で100台必要でも、最初から100台を発注して品質問題が発生すれば修正が難しい。
中国工場選びの目的は「最も安い工場を見つけること」ではない。設計意図を理解し、決めた品質で、決めた時期に、日本の現場へ使える状態で納品できる工場を見つけることである。商品単価だけでなく、手直し、再製作、納期遅延、現場工数まで含めた総コストで判断することが、飲食店の中国調達では最も重要である。
