定期建物賃貸借で飲食店を出す前に確認する契約期間と投資回収

結論:定期借家は「再契約できるだろう」で投資してはいけない
飲食店物件では定期建物賃貸借契約が利用されることがあります。国土交通省によると、定期建物賃貸借は契約で定めた期間が満了すると更新されることなく確定的に終了する制度です。貸主と借主が合意すれば再契約できますが、再契約が当然に保証される制度ではありません。
多額の内装費を投入する飲食店では、この違いが事業計画に大きく影響します。
契約期間と投資回収期間を比較する
例えば内装、厨房、保証金等で大きな初期投資を行い、営業利益から回収するのに長期間かかる計画なのに、定期借家期間が短ければリスクが高くなります。
投資判断では契約期間内で投資を回収し、撤退費まで準備できるかを確認します。
再契約条件を確認する
契約書に「再契約可」と書いてあっても、自動更新とは意味が異なります。再契約時の賃料、保証金、再契約料等がどのようになるかも確認します。
事業計画上は再契約をゼロとして計算し、再契約できれば営業期間が延びるという考え方の方が安全です。
定期建物賃貸借には手続要件がある
国土交通省の案内では、定期建物賃貸借は書面で契約し、貸主が契約締結前に、更新がなく期間満了で終了することについて契約書とは別の事前説明文書を交付して説明することが必要とされています。
また契約期間が1年以上の場合、貸主には期間満了の1年前から6カ月前までの間に終了通知を行う仕組みがあります。
事業用店舗の中途解約条項は必ず読む
国土交通省が説明する床面積200平方メートル未満の居住用建物に関する一定の中途解約制度を、事業用店舗にそのまま当てはめてはいけません。飲食店では契約書に定められた解約条項が極めて重要です。
「6カ月前予告」「違約金」「契約期間中解約不可」などを確認します。
定期借家向きの出店もある
短期プロジェクト、期間限定業態、再開発までの暫定利用など、契約期間が明確なことを逆に活用できる事業もあります。初期投資を抑えた居抜き店舗なら定期借家と相性が良いケースがあります。
契約前チェック
- 契約開始日と終了日
- 再契約の有無・条件
- 中途解約条項
- 違約金
- 原状回復
- 初期投資の回収年数
- 契約終了時の撤退資金
定期建物賃貸借自体が飲食店に不利なのではありません。問題は契約期間を理解せず、普通借家と同じ感覚で長期投資することです。期間を事業計画の中心条件として判断する必要があります。
