飲食店物件の「造作譲渡料」はどう評価する?設備の残存価値を見極める方法

結論:前オーナーがいくら使ったかは造作価値の基準ではない
「内装に2000万円かけたので造作500万円」という説明を受けても、その500万円が妥当とは限りません。新しい借主にとっての価値は、前テナントの取得原価ではなく、自店が再利用することでどれだけ新規工事費を削減できるかです。
造作を4種類に分ける
評価しやすくするため、残置設備を次のように分類します。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| そのまま使える | 比較的新しい冷蔵庫、厨房台 |
| 改修して使える | カウンター、空調、照明 |
| 使えない | 業態に合わない厨房設備 |
| 撤去が必要 | 不要な間仕切り、老朽設備 |
最後の分類は資産ではなくマイナス価値です。
設備の年式を見る
業務用冷蔵庫、製氷機、空調などは型番と製造年を確認します。中古市場価格や交換部品の供給状況を調べることで、前テナントの希望額ではなく現在価値を判断できます。
動作確認だけでなく、専門業者による点検を検討します。
価値が高いのは建物インフラの場合がある
飲食店では厨房機器より、屋上まで通った排気ダクト、十分な電気容量、ガス配管、給排水、厨房防水などの方が再構築費が高い場合があります。
造作評価では目に見える家具だけでなく、建物に組み込まれた設備を見ることが重要です。
所有権を確認する
造作譲渡対象一覧を作り、リース品、貸主設備、前テナント所有物を区分します。エアコンや給湯器が貸主設備なら、それを前テナントから買うことはできません。
退去時撤去費を差し引く
500万円の価値がある設備でも、将来300万円かけて撤去する義務を引き継ぐなら実質価値は変わります。特にスケルトン返し物件では重要です。
価格交渉の資料を作る
- 全設備を写真撮影
- 型番・年式を確認
- 再利用可否を施工会社が判定
- 新品導入費との差額を計算
- 不要設備撤去費を計算
- 所有権を確認
造作譲渡は感覚で値段を決めるものではありません。「この設備を利用することで新規工事費をいくら節約できるか」という経済価値から逆算すれば、合理的な交渉ができます。
