居抜き店舗の設備は誰のものか―残置物・造作・貸主設備を契約前に分類する

「付いている設備=貸主が直す設備」ではない
居抜き物件にはエアコン、厨房機器、ダクト、給湯器、照明など多数の設備が残されています。しかし、それらが貸主所有の付帯設備なのか、前テナントから譲渡される造作なのか、単なる残置物なのかによって故障時の扱いが変わります。
設備表を作る
契約前に店舗内の設備を一覧化し、少なくとも貸主設備、借主取得設備、残置物に分類します。写真、メーカー、型番、製造年も記録すると管理しやすくなります。
残置物は修理保証がないことが多い
残置物は前テナントが置いていった物で、貸主が性能を保証せず、故障しても修理・交換しない条件になっていることがあります。大型エアコンや排気ファンが残置物の場合、開業直後に故障すると高額な交換費が発生します。
動作確認は通電して行う
見た目がきれいでも正常動作するとは限りません。冷蔵庫は冷えるか、製氷機は製氷するか、エアコンは冷暖房できるか、給湯器は正常か、排気ファンに異音がないかを確認します。
長期間空室だった店舗では、水道・ガス・電気が停止していて動作確認できない場合があります。その場合は「動作未確認」というリスクを価格に反映します。
ダクトや配管も所有区分を見る
厨房機器だけでなく、天井内ダクト、給排水配管、グリーストラップ、屋外ファンなどの扱いを確認します。共用設備と専有設備の境界が曖昧だと、故障時に貸主と借主のどちらが負担するか争いになります。
退去時に撤去するのか
取得した造作を退去時に撤去する義務があるのか、貸主へ無償譲渡できるのかも重要です。「居抜きで受け取ったから居抜きで返せる」とは限りません。契約がスケルトン返しなら、前テナントから引き継いだ設備まで撤去する可能性があります。
設備DDリスト
- エアコン
- 排気ファン・ダクト
- 給湯器
- 冷蔵冷凍庫
- 製氷機
- 食器洗浄機
- グリーストラップ
- 分電盤・電気設備
- ガス設備
- 給排水配管
各設備について所有者、修理負担、撤去義務、動作状況を表にします。
居抜きの価値は「設備がたくさん残っていること」ではなく、正常に使え、修理責任と退去責任が明確なことです。造作譲渡契約と賃貸借契約を別々に確認し、設備の権利関係を整理してから取得してください。