レストランの椅子を海外OEMする実務|座り心地・強度・張地を試作で確認する

結論:椅子は図面より「実際に座る試作」が重要
レストラン家具の中でも椅子は使用頻度が高く、顧客が直接触れる設備である。デザインが良くても、座面が高すぎる、背中が痛い、脚がぐらつく、床を傷つけるといった問題があれば店舗評価にも影響する。海外OEMでは量産前に実寸試作品を作り、日本側で使用感を確認することが重要だ。
テーブルとの組み合わせで判断する
椅子単体の座面高さだけでなく、実際に使用するテーブルとの高さ関係を確認する。座面クッションは座ると沈むため、無荷重時の寸法だけでは判断できない。アーム付き椅子の場合はテーブル下にアームが入るかも確認する。席数を最大化するために椅子幅を狭くしすぎると、長時間滞在する業態では快適性が低下する。
張地は汚れと交換を考える
飲食店では油、水、飲料による汚れが避けられない。色や手触りだけでなく、清掃方法、摩耗、縫製方法を確認する。張地を工場独自品にすると数年後の張替え時に同じ生地を入手できないことがあるため、予備生地を初回納品に含める方法も有効だ。
脚端部は小さいが重要
木脚や金属脚の底部に取り付けるグライドは、床材との相性を確認する。タイル、石材、フローリングでは適する材質が異なる。消耗部品なので交換方法と予備数量も決める。
量産前に構造を見る
木製椅子では接合部、金属椅子では溶接部を確認する。試作品の外観だけでなく、裏側や座面下の構造を見る。工場へ量産時も同じ材料寸法と接合方法を使用することを仕様書で明確にする。
輸送効率も設計条件
椅子は軽い一方、容積を取る。スタッキングできるか、脚部を取り外せるか、2脚または4脚単位で梱包できるかによってCBMが変わる。ただし輸送効率を優先して現場組立を増やすと、日本側作業費が増える。店舗納品時の組立時間まで含めて判断する。
試作チェック
- 座面高さとテーブル高さ
- 座ったときの沈み込み
- 背もたれ角度
- がたつき
- 接合部と溶接部
- 張地の清掃性
- 脚端部と床材
- 梱包後CBM
椅子は一脚の不具合が店舗全体に繰り返される商品である。50脚を量産してから問題を発見するより、一脚の試作で修正する方が圧倒的に効率的だ。OEMのメリットを生かすには、デザイン承認と使用性能の承認を分けて行う必要がある。
