中国調達でRCEPは使うべきか|飲食店建材の原産地と関税を判断する

結論:まずHSコードと通常税率を確認してからRCEPを検討する
中国から飲食店用のタイルや建材を輸入する際、「RCEPを使えば関税がゼロになる」と単純に考えるのは正確ではない。品目によって通常税率や協定税率が異なり、もともと無税の家具もある。最初にHSコードを確認し、通常税率とRCEP適用時の税率差を把握する必要がある。
中国から出荷されれば中国原産とは限らない
RCEP税率を利用するには、その商品が協定上の原産品でなければならない。中国工場で完成品を製造していても、使用材料や製造工程によって原産地規則の確認が必要となる。OEM商品では材料調達先を工場へ確認することが重要だ。
日本への輸入では輸入者自己申告も利用可能
日本税関によると、RCEPでは日本への輸入に限り輸入者自己申告制度が利用できる。輸入者が貨物を原産品と証明する十分な情報を有している場合、原産品申告書を作成できる。ただし日本では原産品申告書に加え、原産性を明らかにする資料が必要となり、税関は契約書、価格表、総部品表、製造工程表等を例示している。
工場へ資料提供を事前に依頼する
船積み直前に「RCEPを使いたいので資料をください」と依頼しても、工場が材料情報を準備できない場合がある。見積段階でRCEP利用予定を伝え、必要資料を提供できるか確認する。
家具では関税メリットがない場合も
2026年の日本の輸入統計品目表では第94.03項の多くの家具が無税である。そのような商品では関税削減だけを目的に複雑な原産地手続きを行う意味が小さい。一方、タイルなど税率が設定されている商品では協定利用を検討する価値がある。
判断手順
- 商品ごとにHSコードを確認
- 通常税率を確認
- RCEP税率を確認
- 品目別原産地規則を確認
- 工場が証明資料を出せるか確認
- 削減額と手続コストを比較
RCEPは「中国から買えば使える割引制度」ではない。商品分類、原産地、資料管理が揃って初めて利用できる。継続的に同一商品を輸入する飲食チェーンなどでは、一度原産地管理の仕組みを構築すると効果を得やすい。
