飲食店家具の相見積は単価だけで比較しない|着地原価を作る方法

結論:比較すべき数字は「店舗に届くまでの総額」
海外家具の見積で最も多い判断ミスが、工場単価だけを比較することである。椅子1脚、テーブル1台の単価が安くても、梱包容積が大きい、工場から港まで遠い、特殊な木箱が必要といった条件によって物流費は変わる。飲食店経営者が予算判断に使うべき数字は着地原価(landed cost)である。
着地原価を構成する項目
- 商品代金
- 試作・金型・サンプル費
- 輸出梱包費
- 工場から中国側港までの輸送費
- 輸出関連費用
- 海上運賃・保険
- 日本側港湾・取扱費
- 関税・輸入消費税等
- 通関関連費
- 国内配送・荷下ろし費
- 必要に応じ保管・デバンニング費
日本税関の関税評価制度では、原則として輸入貨物の現実支払価格に、輸入港までの運賃、保険料その他一定の加算要素を加えた取引価格を課税価格とする。このため工場価格だけを使って税負担を予算化すると差額が生じる可能性がある。
家具ではCBMが重要
家具は重量より容積が先に問題になることが多い。同じ椅子40脚でも、完成状態で梱包するか、脚を外してスタッキングするかでCBMが大きく変わる。工場には商品寸法だけでなく梱包後寸法、1箱当たり数量、総箱数、総CBM、総重量を見積段階で提出してもらう。
完成品とKDの判断
ノックダウン化すると輸送効率は改善するが、日本で組み立てる人件費が増える。複雑な家具を無理にKD化すると施工不良も起きる。輸送費だけでなく「日本側組立費+現場時間」まで含めて比較する。
家具そのものの関税も確認する
2026年の日本の輸入統計品目表では、第94.03項の多くの家具が無税となっている。例えばその他の金属製家具、木製台所家具、その他の木製家具などは無税の区分がある。ただし、マットレス等の別品目や、家具と異なる商品を混載する場合は分類と税率が異なることがある。実際の輸入時には商品の材質・用途・構造に基づき統計品目番号を確認する。
3社比較なら同じ物流条件にする
A工場がEXW、B工場がFOB、C工場が日本までのCIFを提示している状態で単価を並べても意味がない。各社について同一地点までの費用を算出する。実務では「日本の指定倉庫または現場まで」を比較地点にすると経営者にも分かりやすい。
チェックポイント
- 工場単価と着地原価を分ける
- 梱包後CBMを見積時に取得する
- 国内配送まで含める
- KD化による組立費を計算する
- 関税分類は商品ごとに確認する
- 予備品や破損対応費も予算化する
海外家具は商品価格を10%下げるより、梱包設計を改善してコンテナ本数を減らす方が総額への効果が大きい場合もある。購買担当者だけでなく物流担当者を見積段階から参加させることが重要である。
